夜、それぞれ仕事を終えて家に戻ってきたカパミクとねこミク。本日のお客様はたこルカ2匹です。
「ねえねえ、カパミクちゃん! カフェの残り物だけどもらってきたんだ、みんなで夕飯の後で食べようね」
「いつもすまないね、れんたこちゃん」
「いいのよー、明日は里のたこルカフェは定休日なのよー。廃棄するよりはいつもお世話になってるカパミクさんに、美味しく食べてもらいたいのよー」
「ねこミクも早く元の姿に戻りな。あんた一日中ヒト形やってると疲れるだろう?」
「うん、すぐに転化するからそうしたらお膝の上に乗せてね」
「おやあ、カパミクさんのお家、液晶モニターがあるんですねえ」
「電気も通っていないエルフの里で唯一普及した電化製品だからなあ。レア様の館やエルフの館、城下でも雑貨屋で見たし、確かカフェにもあった気が」
「2階の倉庫兼事務所に置いてあるのよー。これがあるとクリーチャー商店街のカフェとも連絡とりやすいのよー」
「そうはいっても、能力が使えないとただの置き物なのがね。うちはねこミクが動かせるから通販で大いに活用してるけど、そうじゃないやつらは電波をさえぎらない結界外の、商店街のネットカフェに行くしかないからなあ」
「言ってもらえれば部下たちの通販代行くらい引き受けるって、ルシリア様がおっしゃってましたよお」
「純正エルフの偉いさんにはなかなか頼みにくいじゃん? れむルカ。家具ひとつ入手するにも上からの払い下げを待つか、さもなければ一点モノの高級品を発注するか、そこまでこだわりなければ通販の組み立て家具で十分で、食料もたいがいは農園や城下の市場、商店街で手に入るが、それじゃ足りないものは外で買うしかないけど、そのたびにお願いするのも気が引けるだろ」
「そういえばカパミクさん、夜はたいてい自炊してるのよー。食堂のご飯はお気に召さないかにゃあ?」
「公設食堂のメシはタダだしそこそこ美味いが、食べなれた味は出てこないからなあ。最近、壷を土鍋のように使って煮物を作る技が上達しつつあるから、ぜびためしていってちょうだい」

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